sexyhoya_kouzou2005-08-17

とにかく地震はおっかなかった。
料理作っている途中にいきなり揺れたので
必死になって棚を押さえていた。
だが死ぬとは思わなかった。
ガラスが割れて怪我の一つはするだろう
とは思ったが、案の定家も崩れなかった。
ガラスも割れなかった。
仙台ではもうすでに四回おきている地震
たった一回にすぎなかった。余震もまったく
おきなかった。今回のがひょっとしたら余震
かもしれない。宮城県沖地震として想定されて
いるものの二分の一の威力だという。阪神
映像を見るとあきらかにパワーが違う。
タテゆれはほとんどおこらなかったに近い。
大きい横揺れだけだ。あれなら何の備えもして
いなくても人は死なないだろう。


電話は当然の如くつながらなかった。
とりあえず親戚の応対がめんどくさかったので
親戚が用意している掲示板に、全員無事とだけ
書き込んでおいた。あとはインターネット知ってる
人間は知らない人間にメールなりを打ってもらえる
わけなので実に楽なハナシだ。しかし地震で何も
破壊されずにこうしてぼくは生活を送っているし
延々と生活は続くというのは奇妙な気分だとしか
言いようが無い。結局なにも破壊されなかったし
誰も死ななかった。頭をもたげたタナトスのようだ。
何も破壊せず僕も死なない。いつもの生活はたった
一時間もして戻ってしまった。
たった一時間だけぼくたちは悲劇の予兆になった
かもしれないあの横揺れの時間だけ、すべての
故郷の人間の無事を祈った。あとは普通に人間の
いつもの視線が続く。騙されるかもしれない不安。
何かを売りつけられるかもしれない懐疑。
すべて誰もに向けられる。
いつもの生活だ。