それについては
よくわからないくせに誰もが宇宙だといいきる
だからおれも宇宙と呼ぶ
やぁ宇宙
とおれはあいさつをする
宇宙飛行士は
宇宙に対して慎重にやる
死なないように
そして観測をあやまらないように
そしてくだらなくいえば
なにもないところを泳いでいる
ばたばたとしている
触れる圧力がないものだから
内圧で手がふくれあがる
表皮から
神経細胞
血管細胞
骨組織まで
ぱん
と
頭のなかで音をならす
ぶっこわれた果てに
髪をなでているんだと
おれは思う
ああ宇宙よ
おまえをさまざまに想像し
分析をかさねていって
それらは存外になぞるように薄く
おれはおそろしくてかなわない