新常任理事国に拒否権を ロ大統領、改革論議に一石

ニューデリー4日共同】インド訪問中のロシアのプーチン大統領は4日、ニューデリーで記者団に「もし国連安全保障理事会常任理事国を拡大するなら、拒否権も持つべきだ」と述べた。AP通信などが報じた。現常任理事国の首脳が新メンバーにも拒否権を付与すべきだとの考えを示したのは初めてとみられ、安保理改革をめぐる今後の論議に一石を投じそうだ。
 国連改革を協議してきた高級諮問委員会は先月30日、「常任理事国6カ国増」「準常任理事国8カ国新設」の2案を提言、いずれも拒否権は付与しないとしている。
http://headlines.yahoo.co.jp/hl?a=20041204-00000143-kyodo-int

インドとロシアの関係というのは意外と深い。インドは中国との対立関係上
1960年代にはロシアに接近していた。そうすると今度は、アメリカはパキスタン
との関係を深める方向へと動く。この関係は、パキスタンの核実験で一時中断
した。アメリカがパキスタンへの資金提供を停止したのだ。しかし、同時多発
テロ以降、アメリカはアフガンに軍を展開する関係上、パキスタンと関係を
深めつつあるが、カシミール地方の領有権問題に関して、原理主義勢力が
大きく関わっていたためにインドはまた、この件においては点を稼いだ。
パキスタンが裏で支援していた)カシミールゲリラ弾圧に強権を
ふるったところで、テロとの戦いという大義がある以上何ら問題を生じなかったのだ。
当然インドと中国+パキスタンの対立は今でも続行中であるため、常任理事国
拒否権を付与すべきではないという中国の立場はそれを反映したものでもある。
インド、日本と中国と対立している国家が二つも常任理事国入り候補に挙がって
いるのだから当然といえば当然の話だが、別にロシアとしてはどっちに転んでも
何の損もないのだ。ドイツ+フランスとロシアはいまんとこ友好を保っているし、
中国ともそれなりの関係、日本とも北方領土問題を除きたいした対立はない。