"田中宇著 タリバン"読了

まず興味深かったのは、イスラム原理主義、に対するミクロ的視点を得られたこと。
根本的に悪とされる原理主義だが、タリバンにせよアルカイダにせよ
たまたま連携を持った一勢力にすぎない。ある種これはイランとアルカイダ
ある程度の対立関係にあることによって自明の事実だというところは
あったのだが、スンニ派内においてもあくまで原理主義とは、左派、右派の
という意味合い以外で使われることは稀な模様。


もうひとつは、グローバリズムがもたらした負?なのかどうかはわからないが
いわゆる免税巨大マーケット(市場)の出現、これがアフガニスタンでも
確認されていたこと。大学時代に読んだ書物の中に、ミャンマーカンボジア
国境地帯における免税巨大マーケット、つまりは闇市場なのであるが、そこでは
ほとんど無いものはない。中古車、電化製品が日本でも信じられないほどの
安さで売られている、という記述にある種"ホントにそんなのが存在するのか?"
とある種疑念を持っていたのだが、どうも本当だったらしい。


国境にまたがって居住する民族間では、国境線自体が無意味なものに
近いので、あっさりとビザパスポート関税など関係なく移動してしまう。
そうしないと生活に支障をきたすし、反乱を恐れる政府側は売上税すら
取らない。関税がないため正規代理店を通す正規の市場などより数倍安く製品が
購入できるので当然のことながらその市場は大繁盛する。注目すべきは
これら少数民族、の越境性である。イラク戦争以前にもクルド人勢力が
イラクの石油をトルコへ大量に密売していたという事実がある。こういった
いわゆる密輸行為によって、彼ら少数民族の確保している利益はかなりの
ものにのぼる。


特権的に法をかいくぐる"民族"の問題。
いやぶっちゃけ元締め個人の問題なのよね。くくく。