水色の山裾

うすくなっていく血圧で
もやがかっていく極彩色
これら青やら赤で埋められた
地平線でなにもかもを
あらわそうとすること

そしてそこに口紅のいろが
重なって
めまいとよろこびがする

おどれ
くずども!

ぐるりまわって
はげしくびちばち
やってるさなかに
とびちる汗は
白痴になった
あのようす

ああ
女ども!

おまえの
夢の中
腹の中
資生堂の化粧瓶の中に
ぼくがつめこまれていると
いうのなら
どうかすぐに割ってくれ
すぐにでも
とびちったかけらとともに
おまえの肌を傷つけたい

アルコールの芳香とともに
せめて誰かの肌の温度で
どこぞへ飛び去っていく
水色の山裾へ