民謡

僕は立ち上がってすぐ崩れ落ちた
裸足のまま、指紋でくらくらする
散歩すると


遠巻きに鳴るのはざまあみろと
楽しかったなだけの地平線上で、
ドクターたちが延々解説文を繰り返している


押さえ込めた
けいれんとくんれんで
神経上の回路は"わらえ"
と"ざまあみろ"を認識して
すべてはそうだな
踊るだけの反応を繰り返し


鳴っているのは相も変わらず
ベルリンフィルが絶対に奏でない
ひとり、ぬめっていくきみが
ぼくとのくりかえしを
拒否してしまった
あの音楽で


きわめて明瞭に
心臓だけを意味している


そして僕も
すぐさま説明されたんだ
簡潔にわかりやすく。


円形がちりばめられた図式上で
ぼくの志向性と宇宙が衝突し
とびちった音素はつぶれひろがり
乱調して、さかのぼってゆく