おれが名作と唯一自負するエロ本を朗読しに河原に行った。
エロ本の舞台となった七北田川の河原である。
不法耕作された畑も整地され、ゲームセンターも潰れてしまった。
運転免許センターはそのままある。
かつて俺はH(仮名)によく自販機の下にカネがおちているということを教えられ、
免許センターにもぐりこんでは豪奢のかぎりをつくした。
一度警察につかまって、それ以降は運転免許をとるまで自分が立ち入ることはなかった。
ココで朗読をするということはある意味あのときの自分と現在の自分を再確認
する行為であり、また距離を確かめる行為である。たしかにあのときとは
かけ離れた自分はここにいるが、たしかに時系列的な違いにすぎない
少女漫画が歪んだような絵柄のマヌケなエロ本もないし
それに興奮する自分もいない。
成長したのかっていえば成長したろうぜ
そんだけだ。