さかのぼって考えてみれば
おれはすべてを許さなかった
ゆえにすべてを許した
という逆説に至ってにげていく

走る臆病者の頭に
うかぶものはながらく無沙汰の
逆巻くだけの経過時間
今は中世だ

18xxのラインじゃ絡まった
6万も動員できない
脆弱同盟だというのに
なかば植民地化された
おれの連合でつくられたのは
数億でかぞえるにも
多すぎる叛逆でしかなく

おれの脳みそにむかって
突出部を包囲し
親指と小指が争う
背骨に鉄棒をつきとおされ
びびって小便をもらし
暖かさに顔を緩めてわらう

"こうして、はじまるのが散発だ"

無論こういった図上演習では
けっして地形は確認されず
シャープペンシルの芯を
あやつって四角形だけを
図形してかろうじて家を描く
縦列の脳細胞列や
女の曲線が描けなくなって
虹色の円形だけが浮かぶ
麻痺型の散形陣は

咳をしながら
硬 軟
がいりまじる
といった功利的な
ちがいもなく
ただ相殺し
混乱していくだけのことで

離して 話せば 遠くなり
書けば、掻くほど血が滲む
ぼろぼろになった液晶の皮膚に
延々と敗北的でナルシスティックな
詩だけが間が抜けて
表示されている

詩だけがあらゆる無能や
欠陥を銀の王冠にする
そしておれは
豪奢な王冠を被せられ
かぎりない光栄とともに
屹立している