sexyhoya_kouzou2006-04-02

知り合いが、人形に横恋慕される夢を見たという。
その人形には"この子は昭和何年何月に死んだ女の子を供養する為"といった感じの
文言が書かれていて、相手にされないと解ってから、顔に自分で墨を塗りたくり
悪戯された、ということを親に訴えようとする。しかし当然親の目の前で墨を
塗りたくっているのでバレバレ。という内容だったそうだ。別に精神分析する気もなく
なかなかイイ夢だと思う。まぁ文学的というか何というか。当然のことながらその
知り合いは寺山修司ファンであり、立石寺に行くのが好きで、ムサカリ絵馬
なども見ているからそう思うのだろう。ムサカリ絵馬とは山形県独自の信仰形態で
若くして死んだ人が冥界で結婚している様子を描いた絵である。


実際のことながら俺はそういった文学的な夢など一切みたことがなく、辛うじて
まあ映像イメージ的に美しいということなら紅葉山を踏み分けていくと中に
秋にもかかわらず咲いている桜が一本だけあって、その下に西行と思われる
骸骨が一体、といった具合の夢だが、どうもこういった日本的なエロスとタナトス
が入り混じった夢というのは正直余り見るわけではない。

俺がいつものように日曜日練習に行こうと、車で坂の下にあるセブンイレブン
立ち寄ったところなぜかギターが迎えにきた。そして夜中だった。車を駐車場に止め
近くの焼肉屋に入るとそこが練習場だった。システムは一バンド一曲ずつ交代
そして俺たちが順番を待っていると、強いて言えば派手目の巫女服に近い和服を
着た女の集団がやってきて練習をしていた。なぜか俺はドラムでそれに参加する
ことになったんだが、ペダルがないからバスドラを踏めないし、タムもなく
スネアは右側についていた。しかも皮がユルユルで叩くとバフという鈍い音が
するので俺はもううんざりして適当にトコトコ叩いていると身振りで女たちは
五月蝿いといいはじめた。しかたないのでまあ叩くのをやめて適当にしていると
女たちは俺に文句を言い始めた。"シャンシャンもっと使いなさいよ"シャンシャンと
言われても俺はわけがわからなかったので"シャンシャンって何ですか"と聞くと
女たちは"業界用語で鈴の事でしょお?ドラマーの癖にそんなこともわからないの"
と俺を責めた。俺は釈然としなかったがまあ業界用語だからやはりしかたないのだ、
俺は落ち込んだ。自分を責めた。汗だくになって目覚めた。時計の針は3時だった
夢か、と思いとりあえず二度寝した。本当に日曜日になったとき、俺はドラムセットを
念のため確認した。鈴はなかった。今日はシャンシャンを使う必要はないのだ。
そうして俺は"シャンシャンはねえよなあドラムに"とつぶやき、理不尽な怒りを
ぶつけてきたあの女たちを憎んだりもしたが、たしかにあの時シャンシャンが
出来なかったのは俺の責任だった。今度夢を見るときはシャンシャンをもっと上手く
やってやろうと思ってもみたのだが、いざドラム椅子に座るとやはりシャンシャンは
どこにもありはしないのだ。

以前どっかに投稿したシャンシャンという詩だが、これは殆ど夢をそのまま書いたものだ。