下書き20190131

こぼれた清涼飲料水が

すっかりとかりんとうのようになった

ぼくのデスクよ

圧縮木材のなかまでしみこんだ

さまざまな鬱憤と敗北よ

きぃきぃきぃきぃん

遥か遠くのパンタグラフが架線にぶちあたっている音は

この場所では猫の声のように聞こえた

 

 

いきいきつくはてか

うたかただとかまぼろしだとか

いづれの時かいづこの世とか

皮脂油脂とまじってくろず

饐えはてたすえに固まってんのに

デスクよ

冗談じゃねえよ

おまえはターンテーブルになるべきだったのに

興奮しながらばちばち叩く

ピッチをあげまくった古い曲で

月が震えているのを

みることができたというのに

 

ああ、もういいぜ

ひとつの豪というべき念のもと

北極星をそこに置いてやろう

アルコールと安い香料を

しずかに上目使いで

まったくの不動でながめてやろう

そこで踊っているのはゴキブリだ

部屋中にいくらでもとっ散らかってる

シングル盤といくらでも区別がつかなくなるまでの回転数で

くるくるくるくるかの北辰の

みよ北天に不動たるを