2006-02-02 発酵、蒸散 醤油の匂いに酸化した油 ねっとりべたつく床に はりついた背中があったまって こんなぬるべたいことはねえさあ、停滞のはじまりだ ぼおっとする何度目かの 人生というさび付いた軌道の上で 停止しつづける貨物列車 出るまでたまりつづける反吐すっぱく苦いぶどう酒のそばで くっちゃくっちゃと おれの背中を舐める蝿その無機質に見つめる数百の単眼の ひとつだけが怒りと屈辱に燃えながら 壁にへばりついた夕日を見ている