<永劫回帰
五十億年後の弥勒で会おう。>


つまりはぶっちゃけていえば
永久に会う機会はないが
すこしは脳裏のかたすみで
恋焦がれていようってことだ。

<ぼくが踏み潰されるだけの虫で
君が月星のスニーカーかなにかで
ぐちゃりとも言わないで
ただ物理的に触れ合う>


そしてマヌケな空に雲
風も吹く、下流
何もかも忘れ
それでも数ミクロン
という単位にも及ばない慣性くらいは
残っていて、
地滑りくらいは起きて
落ちてゆく


現実にたとえれば
お互い子供もできてから
スーパーマーケットで
偶然会ってはにかみながら
自慢話くらいはできりゃいいってことで


<さようなら河岸段丘
さようなら花崗岩の欠片
さっき頬が薄く桃色に染まったのは
ただの酸化鉄だったんだよ
しずかに、燃える火が
すこしずつ花びらのように変化してゆく
あの日々は濡れた唇に写る
紫陽花のようだった>


そう思いながら
河川敷だけがごうごうと
声をあげる
なんだよ、あの日々って<落っこちた瞬間さ
花崗岩が>
「そうね」

お互い青臭かったねと