国道四号線を突っ走っていた
倒置法をつかうほどのこともない
ぼろっちい軽で
がたがたとゆれながら気鬱になった
のどかな風景ゆっくり走る軽
という特権はここにはないから
いくつかの破滅をエンターテイメントとして
考えながら時間をつぶした

うすっぺらな金属板から
くる振動で
国道四号で死ぬことについて
容易に想像がついた
圧迫だった

中央分離帯とガードレールに散った
何百人ものトラック運転手の
死体と血が物理的にまじりあうだけで
想像した無残な死体ですら
呪いの一言もなかった

光学的ではなく
物理的な白黒のチェッカーが
覆っている