いずれ本当に
いやになるはずさ
泣くことやわらうこと
生きてゆくこと、いずれ死ぬこと

眼をとじてわめくくらやみや
とびあがる光
はだにささるつめたさ
はらから喉までのあたたかさ
においにわらいごえ

そして
すべてのたわごとよさらば
ぼくたちはどこへいこう
ただつめたくわたる風にのって
ちりぢりにちっていこう

ゆったりとしたにおいに乗って
ほんとうにきれいなもの
それはここにはない
だがぼくは見たんだ
つかれきった夕べの並木に
あたるほんのわずかな光を

そしてもう誰も彼も
すっかりあきれてどこにもいないんだ
ほほえみだけがうかんではぼやける
しろく灰色なはるのもとで
ぼくたちだけが遊んでいる