おれは酒を飲んでいた。
春の海を聞きながら
テン テケテケテケテン
グデン ぐでんぐでんと
くだらない愚痴とともに
哲学と思想を語った

俺は怪奇を語らなかった
絢爛を語らなかった
俺が語った人生のつらさ
下卑たものとして
そして人生のよろこびは
謹んだお慶びとして
相手に伝わり

そして弱音を吐いたうえで
虚勢を張った
つまりなにひとつとして
まともに語ることはできず
そして何にもまさるように
正月はめでたかった

俺は泣いた
おめでとうと相手は言い
おれもおめでとうと返した
そうだ、新年なんだ、
新年なんだよなあ、畜生