ヤーヤー

ああ痒いなぁヤーヤー
首に巻いている化繊タオルと
飲みかけの缶コーヒーにうかんだ油膜は
誰かが俺たちの腸内を想像したときの色だ


ヤーヤー、オイルが焦げた匂いと鶏糞臭さ
そいつらが埃臭さとして乱暴に一まとまりにされてるのは
死ぬほど埃がたまってるからにすぎねえよ


ヤーヤー、全部野菜を引っ張りだせ
無人販売のロッカー式のやつじゃない
間引かれた泥まみれのへなついたやつ
ご自由に、と書かれた
その足元のポテトチップスの段ボールに入ってる
何の草かはしらねえよヤーヤー
雑草じゃあねえが雑菜だ
ウェイパーをぶっかけて炒めりゃ食えるさ


痒みをかきむしりながら
瞬時の痛みが戻りきる前に
つめたい山風が吹いて沁みが続く
ラララを歌えよヤーヤー
誰のことも自分のことも
呪って良いからでかくなれ


ミソラの音がアレルギー反応だ
耳を覆って排気音と耳鳴りの反射音が
ようやく区別がつかなくなったら
上をながめて歌いだせ
おまえじゃなくて
この冬の空とメロディだけを巨大にしろ